Magical Mystery Nara Tour

独自の視点で奈良の魅力&情報を発信していきます。

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森浩一氏の「日本神話の考古学 (朝日文庫)」を読んで、
三重県熊野市にある「花の窟(いわや)神社」というのを知り、
行ってみたくて暇を見つけて訪れた。
熊野は、以前十津川を訪れた際に足を伸ばして三社巡りをしていたが、
この神社は恥ずかしながら知らなかった。
もちろん、紀伊山地の霊場と参詣道の構成資産に入り、列記とした世界遺産である。

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「花の窟神社」は、イザナミを祀る神社である。
というより、イザナミはこの地に埋葬されたとされている場所である。
イザナミといえば、イザナギと一緒に日本神話に登場する男神、女神であるが、
イザナミは死んで「黄泉の国」に行き、死んだことを認められないイザナギが、
「黄泉の国」に訪れ、死者となったイザナミとのやりとりは有名な話だ。
そのときの描写が、飛鳥時代の横穴石室古墳の形状を彷彿とさせ、
神話に反映されたのであろうというのが通説とされているが、実は、熊野や出雲には、
このような海食洞窟を墓に利用していたものが発見されており、
黄泉の国の描写は、横穴石室ではなく、
このような海食洞窟なのではないかというのが森浩市氏の提言である。

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「花の窟神社」は、長く聖地とされてきたので、
発掘はされておらず、岩の地下に墓地などがあるのかどうかはわからないという。
ただ近くで見ると、洞窟が埋められているような痕跡があったのは、
気のせいであろうか・・・。
ある意味では、なんの変哲もないような海岸線の洞窟が、
この場所だけ聖地とされ強く信仰されたのには、なにかしらの根拠があったのであろう。
私も、こちらの方がリアル「黄泉の国」であるという説を支持したい。

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目の前はもちろん海だ。
奈良県人は、海を見るとなにかとてつもないものを見てしまった気分になるw

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海岸の方から見るとこんな感じ。

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独特の注連縄の説明は、社務所?にあった(クリックで拡大)。

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行く前は、さすがに熊野とあって、
どれだけ辺ぴな場所かと心配していたがw
となりには「道の駅」があり、とても開けた場所であった。

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イザナミ米。

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食事処もすぐ近くにあり、お昼は「花のいわや亭」でいただいた。

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地元産のマグロが目玉ということで、マグロ丼定食。
かなり繁盛している感じのお店で、地元の人が多く訪れていた?

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帰りは、せっかく熊野まできたので、
前々から行ってみたいと思っていた「丸山千枚田」にも寄った。

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名前のとおり、1000枚以上の田んぼが棚田でつらなる場所である。
丁度水も張りかけで良い景色を見れた。
写真より現物の方がより絶景感が強い。
訪れたのは平日であったが、ポツポツと人が訪れていた。

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一番小さな田んぼだそうだ。
日本最少であろうか?w

■花の窟神社(MAP
住所【〒519-4325 三重県熊野市有馬町上地130
HP【http://www.hananoiwaya.jp/

■花のいわや亭(MAP
住所【〒519-4325 三重県熊野市有馬町205−1
電話番号【0597-89-6598
駐車場【あり】
HP【http://www.hananoiwayatei.com/

■丸山千枚田(MAP
住所【〒519-5405 三重県熊野市紀和町丸山
駐車場【あり】

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2018年3月24日にオープンした平城宮跡歴史公園に、
さっそく行ってきたので詳しくレポートしたい。
しかし、県が運営する「天平」が冠に付くエリアは、
こちらのサイトでめちゃくちゃわかりやすく紹介されていてやる気が失せたのでw
世界遺産「平城宮跡」に新施設がオープンしたので、おススメなポイントを紹介!!(行雲流水)
国が運営する「平城宮いざない館」の方を紹介したい。
いわば、こちらが総合資料館のようなものでメイン会場といえよう。

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公共交通機関(バス、タクシー)、自家用車で来ようが、
一度はこの西の駐車場のあるエリアに着くことになる。
駐車スペースは思っていたよりは小さい印象で、50台ほどの収容であろうか。
1時間200円の有料である。

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復元された道幅73mの朱雀大路は壮観。
道を渡れば「平城宮いざない館」だ。

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外観と入り口。モダンかつ景観を損なわない感じ。

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近くには、棚田嘉十郎の銅像。
決して、近くを走る近鉄電車に「出発進行!」しているわけではないw
氏は、明治から大正にかけて、まさにこの平城宮跡の保存、顕彰に尽くした人で、
今こうして我々が平城宮跡を体感できるのは氏のおかげなのである。
棚田嘉十郎 - Wikipedia

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内部はこのようになっており、「①平城宮跡の今」「②平城宮のようす」
「③往時のいとなみ」「④時をこえて」展示室は4つにわかれており、
平城宮跡の今昔がわかる構成となっている。

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「①平城宮跡の今」は、その名のとおり現在の平城宮跡の様子や、
これから復元していく「大極殿院南門」の整備計画のパネル展示などがあり、
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ご丁寧に野鳥の説明まであるw

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「①平城宮跡の今」から、次の「②平城宮のようす」の展示室へはつながっており、
当時、平城宮の南3.8km先にあった羅城門から朱雀門への道をイメージした通路を進む。
通路の壁には、出勤する役人たちの様子の絵がかかれており、
いろいろな愚痴などを見ることができるw
このような役人の日常的なことは、大量に発見された木簡などによってわかったものである。
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朱雀門到着w
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1/200サイズの平城宮の模型。
前方のモニターの映像と照明が連動していたりして、なかなかのハイテクぶりだ。
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模型が虫食いのようになっているのは、
まだ未発掘で詳細がわかっていないエリアだからだそうだ。
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しゃがむとこのような穴から覗けるようになっており、
臨場感のある模型を体感することができる。
さすがに近鉄のNゲージなどは走っていないw

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「③往時のいとなみ」は、古代の建築技術や儀式、宴会、
役人の仕事を学び体験できる展示となっている。
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入って目の前にあるのは、「第一次大極殿」の復元に際してつくられた1/5の構造模型だ。
奈良文化財研究所に保管されていたものが特別に展示されている。
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右手には、当時の料理や、食材がどこから送られてきていたか産地を知れるコーナー。
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木簡がどのように付けられていたかというのが非常にわかりやすい展示だ。
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奥では、大極殿を前にして「朝賀の儀」の体験できるようになっている。
朝賀とは、毎年元旦に天皇を前に皇太子以下、文武百官(役人)が整列し、
拝賀(お祝いの言葉を差し上げる)を行った儀式のことだ。
右手に見えるモニターでは、クイズができるようになっていて、
なんやら自分の顔を映像に取り込んだりとか凝ったつくりになっていた。
私は恥ずかしいのでやならなかったがw、修学旅行生など学生向きであろう。
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こちらは、木簡づくりが体験できるコーナー。
といっても、こちらもデジタルで液晶を使って木簡づくりが出来るようになっていた。

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最後、「④時をこえて」は、出土したものを展示するコーナーで、
考古学的に見る平城京、および平城宮跡である。
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こちらは「木樋(もくひ)」という当時の排水溝で、
実際に遺跡から発掘された本物が展示されている。
元は、藤原京の柱に使われていたものがリサイクルされているという。
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平城京の寺院に使われていた瓦を条坊上(地図上)に配置したディスプレイ。
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壁掛け状に展示される「長屋王」邸宅の模型。
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なんとこれはおまるw
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うんこも考古学では貴重な資料だ。
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「いざない館」の入り口でも紹介した棚田嘉十郎と北浦定政に関する資料。
北浦定政は、幕末に平城宮跡や山陵を研究した学者で、
いわば、この平城宮跡のパイオニア的存在である。
当時、ただの田園と化していた平城宮跡を自らの足で歩き測量し、
地名などを頼りに平城宮の復元平面プラン「平城宮大内裏跡坪割図」を作成した。

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その他、企画展示室や多目的室などもあり、
当たり前だが、とにかくキレイ!w
展示資料も充実しており、ゆっくり見れば結構な時間がかかると思われる。
ゆったりしているので休憩するもよし、資料でしっかり学ぶもよし、
今後、新たな奈良市内の観光拠点となりにぎわっていくことであろう。


■平城宮いざない館(平城宮跡歴史公園内)
住所【奈良県奈良市二条大路南4丁目1】
開館時間【10:00~18:00(入館は17:30まで) 夏季6月~9月10:00~18:30(入館は18:00まで)】
休館日【2月、4月、7月、11月の第二月曜日(祝日の場合は翌日) 年末年始(12月29日~1月1日)】
拝観料【無料】
電話番号【0742-36-8780
駐車場【あり(有料)】
HP【https://www.heijo-park.go.jp/

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