Magical Mystery Nara Tour

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聖徳太子――ほんとうの姿を求めて (岩波ジュニア新書)

奈良大学名誉教授の東野治之氏による本書は、
いろいろな説や伝説が飛び交う聖徳太子を記録や伝記から冷静に分析し、
真の聖徳太子の姿を浮かび上がらそうとするものである。
聖徳太子は1400年前に実在した皇族であるが、
この時代の人物にしては記録や伝記が極めて多く、
かえって人物像が謎に包まれてきたと言える。
本書では、唯一の確実な聖徳太子の記録と言っても良い、
法隆寺釈迦三尊像の光背の銘文を基本に、
太子の政治や外交、仏教理解や斑鳩宮の立地、
時代とともに変ぼうしてきた太子像を最新の研究結果とともに探る、
まさに決定版とも言える内容になっている。
もちろん、わかないことが多いのも事実ではあるが、
だからと言って、存在がないとか捏造だとか言うのはどうであろうか。
私は残されてきた遺物から、多くの人が太子を慕い、尊敬されてきたという事実や、
「日本書紀」にはほとんど記されない太子の政治的な動きも、
本当に有能だからこそ目立たない行動故だったのではないだろうか。
地味な記録なほど、のちに伝説で語れるような太子の天才的な姿が見えてくるような気がして、
私はむしろ鳥肌が立つような思いを感じた。
ぜひ皆さんも、今一度日本人が伝える最大の偉人である聖徳太子に迫ってみていただきたい。

目次:
はじめに
系図
序章 ほんとうの聖徳太子を求めて
 一 聖徳太子と厩戸皇子
 二 太子をめぐるさまざまな史料
第一章 釈迦三尊像の銘文にみる太子
 一 銘文のなぞ
 二 銘文を読んでみよう
 三 銘文からわかること
第二章 太子はどんな政治をしたのか
 一 太子の立場
 二 十七条憲法と冠位十二階
 三 外交における役割
第三章 聖徳太子の仏教理解
 一 仏教の伝来と広がり
 二 天寿国繍帳を読み解く
 三 太子が注釈した経典
第四章 斑鳩宮と法隆寺
 一 飛鳥と斑鳩
 二 斑鳩という土地
 三 発掘された斑鳩宮
 四 宮に併設された法隆寺
終章 聖徳太子の変貌
 一 初期の太子崇拝と法隆寺の再建
 二 女性たちの信仰
 三 近代から現代へ
あとがき


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10月13日に放送された歴史秘話ヒストリア「聖徳太子の棺 伝説のその先へ」は、
なかなか見応えがあっておもしろかった。
近年、聖徳太子はいないだとかトンデモ説が蔓延っていたが、
聖徳太子の存在を肯定的に捉え、考察を加えていて好感が持てた内容であった。
今年に発売された東野治之氏の「聖徳太子――ほんとうの姿を求めて (岩波ジュニア新書)」も、
釈迦三尊の銘文や聖徳太子の伝記などを冷静に分析し読み応えがあったが、
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まさしくご本人登場でコメントなされておられたw

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光背の銘文を復元されておられたのは、大仏も復元されていたお方だ!w
【コラム76「大仏の作り方」】

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聖徳太子の棺などについては、つい先日私もブログの記事にしたが、
【コラム94「聖徳太子のお墓はなぜ大阪にあるのか!?」】
棺の寸法などがわからなかったのだが、番組ではきっちり記載されていた。
やはり、太子の棺が一番大きいそうで、
長身であったと思われる太子の棺としてつじつまが合う。

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救世観音像は像高が178cmもあり、太子の等身像(肖像)と伝えられるが、
同じく等身とされる釈迦三尊像を立たせたのには感動したw
175cmが推定されるということは、やはり太子はそれぐらいの長身だったのだ。
ちなみに、私は救世観音像に関しては、さらに大胆な考察をしているが、
それはぜひこちらの記事を読んでいただきたい。
【奈良仏像のすゝめ17「救世観音像」】

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大阪府柏原市の「安福寺」に伝わる、この謎の板のようなもの。
聖徳太子の棺ではないか?と聞いて、さすがの私もまさか!?と思ったが、
最新の科学調査で分かった材質などを聞くと説得力があった。

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雪丸くんも登場w
空飛ぶゆるキャラとしてご出世をされたw
今回の放送は、奈良視線で見てもかなり見応えがあったのではないだろうか。
再放送は、10月22日(日)午前0時5分~となっているので、
ぜひ見逃した人はチェックを忘れずにしておいていただきたい。
ちなみに、11月放送の「世界遺産・神宿る島 沖ノ島/国宝大集合!(仮)/日本人と山(仮)」
も非常に興味深そうで楽しみだ。
http://www4.nhk.or.jp/historia/

あと、歴史秘話ヒストリアといえば、
オープニングテーマとエンディングテーマを歌う「Kalafina(カラフィナ)」が、

先日、興福寺にて野外ライブを行っていた。
"世界遺産Special LIVE -興福寺- 中金堂再建記念“Kalafina with Strings”
と題して、2日間に渡ってのライブであった。

実は、私は少しだけ仕事で関わらせていただいたのだが、
ライトアップされる五重塔と、Kalafinaの音楽がよく合う良いライブであった。
興福寺で、本格的な音楽ライブが行われるのは、
1300年の歴史でも初めてのことであったそうだが、
まさに歴史秘話ヒストリアな夜ではなかったのだろうか。

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