12日に放送された、
「ダイドードリンコスペシャル 日本の祭り
荘厳!誇り高き男たちの絆 聖衆来迎練供養会式」。
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毎年、5月14日に行われる当麻寺でのお祭り「練供養会式」の、
舞台裏をドキュメントした番組であった。
祭り自体というより、菩薩役の男たちにスポットを当てた内容であった。

当麻寺の練供養会式というのは、
昔、死後の世界の極楽浄土は、日が沈む西の先にあると信じられていて、
奈良盆地での西の先、二上山の麓になる当麻寺が極楽浄土の近い場所とされていた。
平安時代の貴族の娘、
「中将姫(ちゅうじょうひめ)」が当麻寺で極楽浄土へ導かれた伝説が有名であるが、
深く仏教に帰依すると、
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このように、極楽から弥陀如来が迎えにくるのである。
このような来迎図や曼荼羅を、
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実写版のショーにしたのが、当麻寺の聖衆来迎練供養会式である。

当麻寺のある葛城では、1000年以上続くこの祭りを、
地元の男たちが代々、菩薩役を受け継ぐことで続けてきた。
特に難しいとされるのは、先頭を歩く観音菩薩勢至菩薩で、
この2役は、毎年選抜されたベテランが演じることになっているという。
番組は、その2人にスポットを当てた祭りの準備から終わりまでのドキュメントであった。

しかし、改めて舞台裏を見てみると、たしかに大変な役目である。
独特の観音菩薩と勢至菩薩の動きは、なかなか難しそうな上、
祭りは長時間におよび、移動距離も長い、体力勝負である。
なので、菩薩役の定年は60歳なのだそうだ。
そして、特に問題なのが、菩薩スーツの視界の悪さである。
菩薩スーツを被ると、視界がこのような小さな穴しかなく、
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段差のあるお堂や、橋の上を渡るのはかなり怖い。
スーツを、
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ロボコップのように改良すれば見やすくなるのではないかとも思ったがw
練供養はただの祭りではなく、仏教の儀式である。
ストイックに挑むからこそ意味があるのだ。
今年はあいにく雨が降ったそうで、お堂をめぐる形での儀式となったようであったが、
最後の祭りが完遂するところは、感動的であった。
あの菩薩の独特の動きが、だんだんカッコよく見えてくるから不思議である。
菩薩の衣装の着物が、地元のおばあちゃんたちの手作りというのも驚きであった。