現在、法隆寺の大宝蔵院に安置される、
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https://blogs.yahoo.co.jp/kabulaya/55258692.html
「玉虫厨子(たまむしのずし)」。
最古の工芸品とも言われ、その名前の由来にもなっている独特の製法と、
仏教芸術や仏教建築の歴史を今に伝える貴重な資料としても知られ、
奈良を代表する国宝の1つと言っても過言ではない。

聖徳太子のいた飛鳥時代の製造といわれ、
仏教伝来後、皇族の家にはこのような仏を祀る、
今でいう仏壇のようなものであったようである。
なので玉虫厨子は、仏教の世界観を表現するもので、
胴体部分の4面には、仏教にまつわる話の絵が描かれている。
特に有名なのが、右側面の「捨身飼虎図(しゃしんしこず)」である。
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http://www.nakada-net.jp/chanoyu/tamamushi/pictures.html
釈迦の前世である青年が、飢えた虎の親子に、
自分の身を捧げ虎を助ける様子が描かれている。
これは自分を犠牲にしてでも他を助けなさいという、
仏教の究極の慈悲を教え説いている。
この精神は、まさしく、


現代にアンパンマンとして受け継がれている。

そして、玉虫厨子のもう1つの最大の特徴が、
装飾に玉虫を使ったことである。
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玉虫の羽を、厨子の各所に貼り付け、
光り輝く仏の世界観を表現したかったのであろうか。
玉虫からすれば、慈悲もへったくれもない恐ろしいものであるが、
現在の玉虫厨子は、玉虫の犠牲も虚しく1400年の歳月で色も黒ずんで見る影もない。
ただ、玉虫厨子は、2004年に「復元玉虫厨子」と「平成の玉虫厨子」として2基復元され、
「復元玉虫厨子」は法隆寺に保管され、春・秋の秘宝展で公開されるので、
本物を見てから、復元品を見るのも乙なものである。
コラム48「甦る玉虫厨子」

さて、そんな昆虫を使った仏教芸術品ということで、
最近、とんでもないニュースを目にした。
昆虫で千手観音をつくった老人-Yahoo!ニュース
群馬県に住む、稲村米治さん(95)は、
6年という歳月をかけ、2万匹の昆虫を使い千手観音をつくったというのだ。
まさに現代の玉虫厨子である。
玉虫厨子は、その名のとおり仏を納めるための厨子で、
装飾に一部、玉虫の羽を使ったものであったが、
このおじいさんの作ったものは、仏そのものである。
しかも昆虫だけで。
クワガタの形状が千手観音の手に使えると思いつき、
軽い気持ちで作ったようにおじいさんは語るが、出来上がったものは軽いものではなかった。
それは一体どのような姿なのか。
残念ながら、あまりに衝撃的なため、そのままブログに画像は貼り付けられないw
勇気のある方は、下のリンクから見ていただきたい。
くれぐれも虫が苦手な方は絶対見てはいけないw

昆虫千手観音
【観覧注意】

http://www5f.biglobe.ne.jp/~punch-ht/chinsp/c031003.html
http://www5f.biglobe.ne.jp/~punch-ht/chinsp/c031004.html
http://www5f.biglobe.ne.jp/~punch-ht/chinsp/c031005.html