2月11日は、日本の誕生日。
日本は、西暦に660年を足した2676年前(平成28年)、
橿原宮で初代神武天皇によって建国された。
この暦を日本独自の「皇紀(こうき)」という。
古代日本は、現在の暦の数え方をしていなかったので、
現代の西暦2600年分に相当するかは諸説あるところであるが、
少なくとも、2000年近くあるのは間違いないと考えられ、
日本は、世界最古の国家である。
史学、考古学を持ってしても、今なお結論が出ないほど古い国と思えばよい。
2月11日という日程については「日本書紀」に、
神武天皇の即位が紀元前660年1月1日とあり、
それを明治に入り、現代の新暦に換算した日付で2月11日とされた。
当初は、この日を「紀元節(きげんせつ)」と呼んだ。
が、しかし、第二次世界大戦後、アメリカのGHQの占領政策よって紀元節は廃止される。
日本人の強さ(アイデンティティ)は、国(天皇)を思う愛国心であったので、
それが最も高まる象徴ともいえる紀元節(誕生日)を廃止することで、
その脅威(危険性)を削ごうと考えたのだ。
しかし、その後、日本は高度経済成長期を迎え、
戦後の悲壮感も薄れた頃、「紀元節」復活の動きが高まり、
昭和41年に、現在の「建国記念の日」が祝日として制定されることになる。
「建国記念日」ではない。
あくまで「建国記念”の”日」である。
というのも、制定に際して紆余曲折があったようで、
日本の建国の日を制定することに反対する勢力が日本国内にあったのだ。
結局、どうしても「建国記念日」に制定することは出来ず、
ここはお互い譲歩することになり、"建国された日を祝う"のではなく、
”建国された事を祝う日"という、
どちらにも解釈できる曖昧な表現で決着がついたのだ。
つまり、反対勢力は天皇を否定したいわけなので、
建国された日を認めてしまうと、
その根拠となる、「日本書紀」や「神武天皇」も認めてしまうということになる。
ただ、日本という国が存在している以上、
いつか建国されたことは間違いないわけで、
さすがにそれまで否定することはできなかったというわけだ。
ほとんど、イチャモンのようなものであるが、
しかし、奈良時代に国が編纂したはずの正史「日本書紀」を、
国が否定するなんて皮肉な話である。
それが許されたのが戦後(敗戦)だったということであろう。
そして、今現在も日本はまだそれを引きずっているのである。
長い歴史と、長い伝統を受け継ぐ我々日本人であるが、
いらんことまで受け継ごうとするのは、その民族ゆえの性か。
今日は、日本人であることに誇りと、日本に生まれたことに感謝して過ごしたい。
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