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名阪国道とは、三重の亀山ICから天理ICの73kmをつなぐ道で、
国道25号線のバイパスとして機能する自動車専用道である。
制限速度は、60km~70kmに設定されているが、
それぐらいのスピードで走る車は、まずいないであろう。
なぜなら、無料区間ではあるが、実質高速道路であり、
SAやICもあり、見た目上も明らかに高速道路であるからだ。
ただ、あくまで実質なのは、インフラ整備過渡期に作られたこの名阪国道は、
現在の高速道路における基準を満たしていない箇所が多く、
高速道路としては認められないという。
しかし、名古屋、三重方面から大阪に抜ける主要道路であり、
奈良市近郊の方もよく利用する道路ではないだろうか。
なにより無料というのが大きいし、使い方によっては非常に便利な道なのである。
近年では、名古屋~大阪間を走るトラックが、
「新名神ルート」より「名阪国道ルート」の方が
5000円も高速料金が浮くことから、
奈良市街から阪奈道路に抜けるルートを取るらしく、
渋滞を引き起こす原因になっており、問題になっている。

トラックだらけ 名古屋-大阪間割安ルートで(毎日新聞)

トラックは、おとなしく高速ルートで抜けてくれと地元民であれば思うところであるが、
渋滞の原因は、交通量の問題だけではなく、事故が頻発することにもある。
特に名阪国道は、たしかに実質高速道路ではあるが、
山間部を抜ける険しいルートで、特に福住ICから天理東ICの区間は、
Ω(オメガ)カーブと呼ばれる急カーブがあり、
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2005年の自動車専用道10kmあたり事故発生件数ではワースト1になっているという。
名阪国道が、どれだけ山間部を走っているかは、
途中にあるSAに立ち寄ってみるとよくわかる。
福住ICから五ヶ谷ICの間にある「高峰SA」は、
別名
「天空のSA」とも呼ばれる休憩エリアで、奈良盆地の絶景を拝むことができる。
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しかし、そんな絶景とは裏腹に、
この名阪国道は、多くのドライバーを奈落の底に落としてきたのである。
それは、そもそも名阪国道という名前に不吉なものを予感させないであろうか。
名阪国道は、天理東ICを過ぎると、
「西名阪自動車道」と名前を変え、正真正銘有料の高速道路となるが、
西とは、古来から極楽浄土のある方角として信仰された方角である。
つまり、西へ向かう名阪国道とは、
西(=浄土)へ向かう名阪道路と解釈することも出来るのである。
なんて恐ろしいのであろう。
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私には、名阪国道の道路図が浄土曼荼羅のように見えてくる。
他府県ナンバーに事故が多いのは、そのような事実を知らないからであろう。
ぜひ、奈良を抜けるドライバーの皆さんには、
浄土の世界へ旅立たないように心引き締めて安全運転を心がけていただきたいと願う。

参考サイト:
名阪国道-wikipedia-
西方極楽浄土-コトバンク-