この度、奈良の魅力を紹介する新シリーズを始めたいと思う。
その名もズバリ、「奈良のトンネル」
子供の頃から、車、鉄道問わず、トンネルに出くわすと思わず身を乗り出していた。
トンネルの、あのまるで違う世界への入り口のような姿と、
内部に入った時に感じられる非日常感がなんとも言えないのだ。
そんなトンネルマニアである私からして、奈良は山間部であることから、
トンネルの宝庫であると言える。
モダンなものから、まるで心霊スポットのような趣のあるものまで、
いろいろなトンネルを楽しむことが出来る。
今まで、奈良県内のすべてのトンネルを巡ったというわけでもないのだが、
割といろいろな場所に車で出かけるので、出会ったトンネルは数知れず。
その中でも、特におススメのトンネルを紹介していきたいと思う。
一体、誰得という感じではあるが、
ぜひ、こういう趣味もあるということでお付き合いいただきたいw

さて、そんな栄えある第1回目に紹介したいのは、桜井市の談山神社に近い、
「鹿路トンネル」である。
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「鹿路」と書いて、「ろくろ」と読む。
なんやら、名前からしておどろおどろしい感じがするが、
あながちその印象は間違っていない。
ちなみに、上記の画像は「新鹿路トンネル」のもので、
私が今回紹介したいのは、「旧鹿路トンネル」の方である。
DSC_1811
「新鹿路トンネル」の上を交差するように「旧鹿路トンネル」が通っており、
昔は、この「旧鹿路トンネル」のある県道37号線の旧道が、
桜井から吉野へ抜ける唯一の道であったそうである。
2003年に「新鹿路トンネル」が出来た際に、
「旧鹿路トンネル」も整備し直されたらしいが、
明らかに雰囲気が違う。
なかなか写真などでは伝わらないので動画も撮ってきた。
まずは、「新鹿路トンネル」の方である。



「新鹿路トンネル」の方も、延長が2466mもあり、
実は奈良県下でもトップクラスの長さを誇るトンネルなのだが、
構造はいたって、モダンで普通のトンネルである。
しかし、「旧鹿路トンネル」の方は、たどり着くまでに行く手を阻むように道は蛇行し、
突如、暗黒の空間への入り口が現れる。



中は、片側だけのライトしか点灯しておらず結構暗い。
延長は570mほどだが、距離より長く感じるのは気のせいであろうか。
ネットで調べると、一応心霊スポットとして知られるらしいが、
このあたりで出る霊といえば蘇我入鹿であろうか。
便利で安全で綺麗なのは、断然「新鹿路トンネル」であるが、
やはり、トンネルの醍醐味である異空間度はこちらの方が上だ。
比較的行き易い場所で、2種類のトンネルが体験できるという立地も良い。
文句なしで、おススメの奈良トンネル認定である。

■鹿路トンネル
所在地【桜井市鹿路・旧県道37号】
延長【新・2466m/旧・570m】
竣工西暦【新・2003年/旧・1965年】

参考サイト:隧道トンネル一覧表