奈良のおすすめトンネルを紹介する、「奈良のトンネル」。
今回ご紹介するのは、宇陀市室生やまなみロードにある、

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「室生トンネル」である。
やまなみロードとは、名阪国道の小倉インターから、
室生寺につながる道で、よく整備された道だがあまり知られてないかもしれない。
というのも、室生寺に向かう場合は、大野寺方面から向かうことが多いはずだからだ。
その逆側、龍穴(りゅうけつ)神社方面から室生寺に向かうのが「やまなみロード」である。
名前のとおり、山の中を駆け抜ける道で、
途中、延長1737mもある奈良でもトップクラス級のトンネルを抜けることができる。
私は、たまたまこのトンネルを見つけたのだが、
見つけた時は興奮して、思わず数回通り抜けてしまった。
長い直線のスピードが出せる爽快感と、独特の形状が魅力的なのだ。



動画で確認するとよくわかると思うが、
このトンネル、北側から入るとすぐカーブに差し掛かり、
その後、直線が続くのだが、トンネル内で起伏があり出口が見えない。
そのせいで、それほど長い距離の直線ではないのだが、
とてつもない長さのトンネルと錯覚をするのだ。
そのスリルがたまらない。トンネル好きの究極は、
トンネルから抜けないことかもしれないw
しかし、無事トンネルを抜けると、龍穴神社があり、その先には室生寺がある。
実は、この地域一帯が歴史的に所縁があるというか、
室生の「室(むろ)」とは、周りを囲まれた=火山の火口を意味し、
古代から山を神として信仰した日本人は、
まさに神が生まれる場所として聖地としてきたのだ。
平安京を作った桓武天皇が皇太子時代に祈祷に来て、
それが室生寺創建につながったのは有名な話だが、
この地は水源地でもあり、水の神、すなわち龍が住む地としても、
言い伝えれられてきた。
その龍を祀るのが龍穴神社であり、さらにその奥には、
実際に龍が住むという「吉祥龍穴」がある。
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私はまさに、このやまなみロードから、
蛇行しながら室生を抜ける「室生トンネル」が、
龍の胎内を抜けているように感じるのは私だけであろうか。
抜けた先、南側の入り口からトンネルを見れば、
まさに神々の山である室生山から、龍が口をあけているようだ。
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ぜひ、「室生トンネル」を抜ける際には、
神々への畏敬の念を忘れずにいたい。

■室生トンネル
所在地【宇陀市室生・やまなみロード】
延長【1737m】
竣工西暦【2002年】

参考サイト:隧道トンネル一覧表