今年で第68回目を迎える「正倉院展」が、
奈良国立博物館にて、10月22日(土)~11月7日(月)に開催される。
正倉院展とは、東大寺にある「正倉院」に保管されていた、
奈良時代の天皇の愛用品や工芸品を展示する博覧会である。
やはり、正倉院展が近づくと、ようやく奈良の観光シーズン到来かと思える。
二月堂の「お水取り」が終われば、春が訪れるとはよくいうが、
「正倉院展」の告知が始まれば、秋が訪れるといった感じだろうかw
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今年の目玉は、18年ぶりの公開となる漆胡瓶(しっこへい)
「国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)」にも記載された、
聖武天皇ゆかりの宝物で、「胡」は「ペルシャ」のことを表し、
漆で作られたペルシャ風の瓶ということで、当時の文化交流を感じられるものである。
そういえば、最近、平城宮跡から出土した木簡から、
ペルシャ人の役人が働いていたことがわかったとニュースがあった。
奈良時代に「ペルシャ人」役人が 奈良の都は国際性豊か(毎日放送)
ものだけではなく、人も往来していたのは、
普通に考えれば当たり前のことであろう。
渡来系というと、多くの日本人は中国人や韓国人が来たと思いがちであるが、
奈良時代は、そんな視野の狭い時代ではなかったのだ。
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期間中は、「正倉院」そのものも見ることができる。
普段も拝観できることは出来るのだが(平日の10:00~15:00)、
展覧会の期間中は無休で10:00~16:00と時間も長い。
場所は、大仏殿の拝観入り口から北に向かうのがわかりやすい。
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ちなみに「正倉院」とは、奈良時代にはどの寺にもあった宝物を保管する保管庫であり、
建物の名前というより、その保管庫の立ち並ぶ区域の総称を「正倉院」と呼んだ。
しかし、現在は、その保管庫が1つしか現存しないので、
東大寺の建物がいわゆる「正倉院」と呼ばれるのだ。
建物は宮内庁管理で、国宝に指定されているが、
実は展示される宝物は、天皇家の私物という扱いで国宝には指定されていない。
しかも、宝物を開封するのは、あくまで点検のためで、
正倉院展は、そのついでに見せていただいているようなものなのである。
なので、開催期間も短い。
ぜひこの貴重でありがたいものを、秋の奈良と共に味わっていただきたい。

第68回正倉院展
平成28年10月22日(土)~11月7日(月)
開館時間:午前9時~午後6時
(金・土・日・祝は午後7時まで)
拝観料金:
一般/1100円高校・大学生700円・小・中学生400円
前売・団体/1000円高校・大学生600円・小・中学生300円
オータムレイト/800円高校・大学生600円・小・中学生200円
親子ペア/1100円(前売)

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