rurie
2月8日~14日まで「しあわせ回廊 なら瑠璃絵」が開催される。
奈良公園一帯が、LEDによってライトアップされるイベントである。
最近、やたらとライトアップイベントが多いので、
ここは混乱しないようにきちんと把握しておきたい。
夏の燈花会は、火をつかう。
冬の瑠璃絵は、LEDをつかう。

この2つの大きな違いを押さえておけば大丈夫であろう。
夏の燈花会の方は、1999年から始まった新しい夏の風物詩で、
冬の瑠璃絵は、10年遅れて2009年から始まった。
要は、夏と冬の奈良の観光オフシーズンを埋めようとして始められたものであるが、
最近は認知度も上がってきて、本当に多くの人が訪れる祭りとなった。

22bc1f0b
が、しかし、少しややこしいのは「若草山の山焼き」や、
マジの伝統行事の「東大寺万灯供養絵」、
「春日大社万燈籠」の日程も隣接してるので、
混乱してしまいそうになる。いや、事実混乱している。
もういっそ、全部いっきにやってしまえばとも思うが、
そういうわけにもいかないw

140846278415520021227_20140819-1
さらに、「なら瑠璃絵」であまり知られていないのは、
東大寺大仏殿の「観相窓(かんそうまど)」が開くことである。
「観相窓」とは、大仏殿の上部にある窓のことで、
この窓が開くと大仏様の顔が見え、外からも拝むことができるようになっている。
伝統的には、元旦と盆の年に2度しか開かれる機会はなかったのだが、
なんと、「なら瑠璃絵」では、この観相窓が開き大仏様を拝むことができるのだ。
天の岩戸の神話のように、冬の奈良にしては外が騒がしいので、
大仏様も気になって覗いているのだろうかw
以前行った際には、南大門から大仏殿のあたりは、
ひっそりして少し不気味だったがw、そうそう機会もないことなので必見だ。
その他、興福寺は東金堂の夜間拝観
春日大社は夜間本殿参拝と国宝殿開館
奈良国立博物館(新館)と東大寺ミュージアムの夜間開館など、
各所の夜間拝観が目白押しで、「国際フォーラム甍~I・RA・KA~」では、
地元産のフードなどもいただけるようになっている。
詳しくは下記公式サイトを参照していただきたい。
なら瑠璃絵・公式サイト

しかし、いわば宗教施設が立ち並ぶ奈良公園一帯で、
LEDイベントなんて、いかがなもんかという意見もありそうだが、
私はきっと、奈良時代にもLEDがあれば、
奈良時代の人も使っていたと思う。
なぜなら、光輝く廬舎那仏であるわけだし(奈良仏像のすゝめ10「盧舎那仏坐像」)、
現代も、強く仏教が信仰されるミャンマーでは、
仏像が光っているのは有名だw

現在は、季節の恒例イベントのようである「なら瑠璃絵」も、
1000年続けば、不退の行法として伝統行事になるのではないだろうか。
そういう意味でも我々は、今もリアルタイムに歴史の中にいるのである。

関連記事:
コラム116「なら燈花会」