宮司が語る御由緒三十話 - 春日大社のすべて

昨年は、春日大社の第60次式年造替が終わった記念の年であるが、
暮れに、「春日大社のすべて」という本が発売されていた。
特筆すべきは、現・春日大社宮司でおられる、
「花山院弘匡(かさんのいんひろただ)」さんが書かれていることで、
いわば、公式の解説書というところである。
「花山院」とは、平安時代の藤原道長の孫、
藤原師実(もろざね)の次男の家忠(いえただ)が創立した「花山院家」で、
長らく、春日祭には勅使として派遣されていた家柄なのだという。
要は、奈良時代に藤原家の氏神を祀るためにつくられた春日大社のトップ(宮司)は、
未だ藤原家の人間が務めているのである。
当たり前といえば当たり前だが、凄い伝統の深さを感じられずにはいられない。
本の内容は、「春日祭」「おん祭」などの有名なお祭りは、
徹底的に解説されているし、もちろん鹿のことから、境内のすべての建物、
燈籠にいたるまで、本当「春日大社のすべて」が書かれている。
専門家(学者)の本ではないので、とても優しい文章で読みやすいのも良いところだ。
ぜひ春日大社に興味がある方や、これから深く知っていきたいという方に、
間違いなくおすすめできる本である。

目次
第一話「神山 御蓋山」
第二話「春日社創立」
第三話「平城京の守護神」
第四話「春日社創建」
第五話「千二百年続く勅祭春日祭」
第六話「勅祭春日祭(申祭)の儀式」
第七話「若宮社」
第八話「春日若宮おん祭」
第九話「宮中からの旬祭、節供養、日並御供」
第十話「式年造替」
第十一話「六十一社の摂社・末社」
第十二話「平安の正倉院(皇族、貴族奉納の御神宝)」
第十三話「社伝神楽と御神楽(陪従神楽)
第十四話「山木枯槁、神鏡落御、春日山鳴動、神木動座、神鏡強奪事件」
第十五話「宮中と春日」
第十六話「日本最初の神道曼荼羅である春日曼荼羅」
第十七話「世界一大切にされる神鹿」
第十八話「宮中の技を尽くした春日権現験記絵」
第十九話「シルクロードの終着に残る舞楽」
第二十話「能舞台の松は春日参道の松」
第二十一話「三千基の春日大社の灯籠」
第二十二話「春日大社の建物」
第二十三話「春日興福寺」
第二十四話「伊勢・春日・八幡の三社託宣」
第二十五話「全国に広がる春日神社」
第二十六話「神峰春日山と聖蹟、数々の神々に関わる場所」
第二十七話「神域の樹木と生物」
第二十八話「社家制度」
第二十九話「春日の職人」
第三十話「春日大社の歴史の流れと文学など」


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