
3月1日から14日まで、東大寺二月堂にて行われる「お水取り」。
東大寺の僧侶から11人選ばれた錬行衆(れんぎょうしゅう)が、
本尊十一面観音(秘仏)に懺悔し、国家の安寧、繁栄を祈願する祭りである。
大きな松明が有名で「お松明(たいまつ)」とも呼ばれるが、
正式名は、「修二会(しゅにえ)」と言う。
または、「十一面悔過(じゅういちんけか)」と言い、
英語では、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と言う∑(゚Д゚;) えっw
二月堂に上がる松明の光景がとりわけ目立つので、
それが修二会のメインのように思われがちだが、
松明はあくまで、錬行衆が二月堂へ上がる足元を照らす明かりであり、
修二会は、その松明が上がってからが本番である。
しかし、その松明の火の粉を浴びると無病息災があるとも信じられ、
火そのものに神聖なものを感じる信仰と相まって、
松明が修二会の観光的な見せ場になっていることは否定はできない。

11人の錬行衆に対して、上がる松明は10本である。
それでは数が合わないじゃないかと思われるかもしれないが、
実は、1人は先に上堂し準備をしているからである。
ただ、「お水取り」の儀式が行われる12日だけは特別で、
準備のため上堂していた1人の錬行衆が最初に上がった1人と交替し、
再度上堂するため11本松明が上がることになる。
さらには、籠松明(かごたいまつ)というひときわ巨大な松明もあがるので、
(画像は、二月堂横休憩所に展示してある籠松明)
12日は、最も観覧者も多く混雑する日でもある。
最終日である14日は、10本の松明が一気に上がることで有名で、
先導される錬行衆のすぐ後ろから次の松明が上がってくるので、
尻に火が付きそうということで、「尻つけ松明」「尻こがし松明」と呼ばれる。
■おたいまつスケジュール
3月1日 19:00~(10本)
3月2日 19:00~(10本)
3月3日 19:00~(10本)
3月4日 19:00~(10本)
3月5日 19:00~(10本)
3月6日 19:00~(10本)
3月7日 19:00~(10本)
3月8日 19:00~(10本)
3月9日 19:00~(10本)
3月10日 19:00~(10本)
3月11日 19:00~(10本)
3月12日 19:20~(11本)※籠松明
3月13日 19:00~(10本)
3月14日 18:30~(10本)※尻こがし

お松明と言って、忘れてはならないのは、
材料である「竹」が送られてくる「竹送り」の儀式である。
儀式というと大げさかもしれないが、おたいまつのために使う竹は、
京都の南山城(京田辺)や、生駒の高山など近畿一円から奉納されてくるという伝統があり、
特に南山城の奉納竹は、戦前までは京都と奈良をつなぐ街道沿いに置いておけば、
住民やそこを通る旅人によって、リレーのように東大寺まで運ばれてきたという。
(画像は、運ばれてきて準備待ちの竹)
しばらく途絶えていたそうだが、昭和53年に京田辺市民らによる「山城松明講社」が復活させ、
今年(2017)は、復活40年の節目なのだそうである。
300人が担ぎ お水取り用、東大寺二月堂に奉納 /奈良(毎日新聞)
復活から40回、節目の竹送り 京都・京田辺、お水取りへ(京都新聞)
ローカルニュースでは、この「竹送り」が伝えられると、
奈良の人は、そろそろ今年もお水取りが始まるのかと感じるのだ。
なにげない日常に悠久の歴史が流れていることが感じられる、
まさに古都奈良ならではと言える瞬間であろうか。
ちなみにこれらの竹は、12日の籠松明以外の日は使い回しされるという。
しかし、予備で20本用意され、50本ほど奉納されることもあるというが、
松明以外でも竹は使うので無駄にはならないそうだ。
二つの講演会(こころは 青空)
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コラム108「達陀帽いただかせ」
コラム40「お水取りの謎」
コラム75「過去帳、神名帳の謎」
画像元サイト:
二月堂を見上げて(ゆんフリー写真素材集)
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