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奈良 地名の由来を歩く (ベスト新書)

奈良には、古い地名難読地名がたくさんある。
「春日」や「飛鳥」も有名だから読めるだけで、
相当な難読地名には間違いない。
そんな、奈良に散らばる不思議な地名を著者の谷川氏が訪ね歩き、
推論も含めて奈良の地名の謎に迫ったのがこの一冊である。
奈良の地名の特徴は、歴史に由来していることで、
地名から歴史のストーリーを紐解くこともできるのが特徴であろう。
冒頭は春日大社の歴史から、「春日」の地名の謎について迫っていくが、
「春日」の地名に言及した本も今まであまりなかったのではないだろうか。
なかなか説得力もあって興味深かった。
皆さんも、奈良を歩くときは地名に気をつけながら歩くと、
また新たな奈良の魅力を発見できるかもしれない。

目次:
はじめに
第一章 「春日」に隠された謎
 「飛鳥」はなぜ「あすか」と読むのか 枕詞とは何か
 「春日」は「霞」だった! 春日大社の謎
 なぜ春日大社に招かれたのか 仏教と神道の対立
 中臣氏はどこへ行った! 鹿島神宮に飛ぶ
 大化改新は中臣氏の復讐劇だった! 藤原氏の勢力拡大のために
第二章 神武天皇の足跡を地名で追う
 大和への道 「墨坂」の戦い
 「忍坂」の戦い 大和の平定
第三章 神社名から「奈良」の歴史を解き明かす
 大和神社 往駒大社 葛城一言主神社 談山神社
 相撲神社 氷室神社 吉野水分神社
第四章 現代に生きる奈良仏教
 西大寺 帯解寺 壺阪寺 
 大安寺 吉田寺
第五章 峠を越える
 奈良の峠は異界への入り口 暗峠
 竹内峠 芋峠 平城山
第六章 奈良の難読・おもしろ地名
 京終 杏 鵲 箸中 忍阪 磐余
 海拓榴市 多武峰 雲梯 忌部
 櫟本 御所 掖上 秋津島 當麻
 榛原 壱分 国栖 立里 十津川
第七章 「奈良」に集まる・「奈良」が消える!
 奈良に集まる旧国名 「奈良県」が消えた