奈良に来たならぜひ見るべきおすすめ仏像と、
その魅力を発信していく「奈良仏像のすゝめ」。
今回ご紹介するのは、東大寺大仏殿の「虚空蔵菩薩坐像」

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大仏の向かって左側脇侍の「虚空蔵(こくうぞう)菩薩坐像」である。
横の大仏さまがデカすぎて、
それほど大きな仏像には見えないが、7mを超す巨像である。
「虚空蔵菩薩」の「虚空蔵」とは、
宇宙のような無限の知恵と慈悲が収まっている蔵(貯蔵庫)を意味し、
人々の願えを叶えるために蔵から取り出して知恵や記憶力、知識を与えてくれるという。
(虚空蔵菩薩 - 仏像ワールド)
さしずめ、四次元ポケットからありがたい道具を出して助けてくれる、
仏教におけるドラえもんといった存在であろう。
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現在の大仏殿の「虚空蔵菩薩坐像」は、宝暦2年(1752年)ころの作で、
江戸時代の大仏殿復興時に造立されたものである。
京都の仏師山本順慶一門と、大坂の仏師椿井賢慶一門による作で、
30年もの期間を要して作られたものという。
創建時から、大仏の脇侍は虚空蔵菩薩だったのは間違いないそうだが、
経典の出典などは不明で、
日本人お得意の独自の解釈でもあったのかもしれない。
それこそ、蔵(ポケット)からありがたいものを出してくれる、
ドラえもん的な他力本願信仰を「虚空蔵菩薩」に見ていたのであろうか。

■仏像DATA
名前【虚空蔵菩薩坐像】
場所【東大寺(MAP)】
製造時期【江戸時代】
技法・材質【寄木造】
像高【7.10m】
指定【重要文化財】

参考画像元サイト:
東大寺大仏殿(奈良県奈良市)その(2) — 大仏の脇を固める仏たち(祗是未在)
虚空蔵菩薩坐像(ゆんフリー写真素材集)