話題作ゴジラ キング・オブ・モンスターズを観てきた。
言わずと知れたゴジラのハリウッド版で、
私は、特に怪獣&特撮映画ヲタクというわけでもないのだが、
前作にあたる2014年版のハリウッド版ゴジラから、
「キングコング: 髑髏島の巨神」はおもしい流れで、
今作もかなり楽しみにしていた。
ともかく、今作は他の安易なリメイクものと違い、
アメリカ人の怪獣愛が爆発したというかw
日本作品へのリスペクト(オマージュ)の連続で、
逆に、日本人が忘れていたものを知らしめされるような感じさえした。
ゴジラというのは本来は、核に対する「怨霊(荒ぶる神)」のような存在で、
(だから人間の銃器ではダメージを与えられない)
今作でも、一応タイトルこそ「モンスター」とついているが、
劇中では「タイタン」と呼び、ゴジラたちというのは、
かつて地球を支配していた神獣というような設定である。
だから「モンスター(化け物)」ではなく「怪獣」なのだ。
(ギレルモ監督のパシフィック・リムでもあえて"怪獣"と呼んだことがあった)
日本人がこのような怪獣を生み出したのは、
やはり古来から伝わる神話怨霊文化がDNAに刻まれているからであろう。
「古事記」で描かれる八百万の神々は、災害のメタファーという説もあるように、
奈良の本16「火山で読み解く古事記の謎」
(キングギトラはままヤマタノオロチ的である)
怪獣は、単純な正義の味方や悪の化身ではない。
ゴジラが動けば人類の文明はことごとく破壊されるしw
今作でも、ラドンは火山の噴火の象徴のように登場する。
まさに神道的なこの日本の怪獣文化が、
逆輸入という形で帰ってくるのは、嬉しい反面、悔しさもあるであろう。
間違いなく、このような娯楽大作映画としては日本には作れないだろう。
思えば、日本の古来の美術品を高く評価し、
日本の文化財の恩人ともいえるフェノロサもアメリカ人であった。
アーネスト・フェノロサ(Wikipedia)
こういうのは時代の必然なのであろうか。

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