Magical Mystery Nara Tour

独自の視点で奈良の魅力&情報を発信していきます。

カテゴリ: 奈良の本

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鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

著者の万城目学氏が直木賞を受賞し、
直木賞に河崎秋子さん「ともぐい」と万城目学さん「八月の御所グラウンド」
改めてこちらの本が注目されることもあろうか。
もはや、説明するまででもないと思うが2007年に発売された本書は、
その後、ドラマ化もされたので知る人も多いであろう。
実は、本書でも直木賞の候補になっていたが、その時は受賞しなかったようだ。
わたしも、改めて読み返してみて、
まさに非の打ちどころがないとはこういうものなのだろうかと驚く。
奈良の小ネタを挟みながら、見事なまでの発想にエンターテイメント性。
おまけに夏目漱石の「坊っちゃん」のオマージュのようになっていて、
文学的なお遊びにもなっている。以前読んだ時は気付かなかったが、
最近「坊っちゃん」を読んだので気付いた。
まぁ作中に思いっきり「坊っちゃんみたいだ」とセリフが出てくるのだが・・。
とにかく、奈良を舞台や題材にした作品の中では、
今のところこれを抜く作品はないのでなかろうか。群を抜いての名作と思う。
ぜひ、今までドラマだけを見て原作を読んでいないとか、
もうだいぶ前の話で忘れかけている人は手に取って読んでみていただきたい一冊だ。

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奈良の昔話〈その4〉「条坊制の町割に綴られた物語」

奈良市民であれば知らぬ人はいない!?マスオグループ
もとは奈良町の老舗「砂糖傳」がはじまりであるが、
その四代目にあたる増尾正子さんが書かれた本がこの「奈良の昔話シリーズ」である。
正確には、タウン誌「マイ奈良」に連載していたものをまとめたものだということであるが、
これが驚くことに、ヘタな歴史本より充実した内容なのだ。
わたしがたまたま初めに手に取ったのは、上記の第四巻「条坊制の~」であったが、
ソムリエの私でも知らなかったことが多々書いてあって、
これは読むべき本だと、頑張って全巻そろえた。
全シリーズは以下のとおり。

奈良の昔話 奈良町編
奈良の昔話―奈良町を支えた里編
奈良の昔話―道が紡いだ人々の暮らし編
奈良の昔話〈その4〉「条坊制の町割に綴られた物語」
奈良の昔話 第五巻 大和路の沿線風景

奈良であれば啓林堂書店などで買うこともできるが、
おそらく全国販売はしていない本だと思われる。
もちろん、amazonで購入することができる。
基本的には、著者の増尾正子さんが生まれ育った奈良町を中心とした
暮らしに関すること
が多いが(もちろん社寺の詳しい解説も入る)、
むしろ、昭和初期からの貴重な奈良の人の生活模様が伺える内容こそ、
この本の資料価値と言えるのではないか。
他の本ではなかなか読めない内容なので、ぜひおすすめしたい本である。

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