Magical Mystery Nara Tour

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カテゴリ: 奈良の本

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鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)

今もっとも奈良県人が読まなくてはならない歴史書w
いわずと知れた鬼滅の刃。
鬼化してしまう妹を救うための剣士の話?だ。
わたしも少しだけかじったが、なるほど、少年コミックの王道を押えていて、
たしかにヒットしたのもうなづけないことない。
とはいえ、ここまでのヒットは誰も予想しなかったであろう。
湧いたのは奈良である。
実は、舞台が奈良とまでは設定されていないのだが、
明らかに奈良っぽい場所が登場するのだ。

それが、柳生の一刀石である。
一刀石には、柳生新陰流の開祖とされる柳生宗厳が、
天狗を相手に毎夜修行し、
一刀で切り伏せたと思ったら岩が割れていたという伝説があるが、
まさにそれっぽいシーンが鬼滅の刃の冒頭にあるのである。



柳生一刀石は、わたしも好きな場所で、
今までも何度か仕事でも足を運んでいるが、
まさかこんなに話題になるとは。
作者は、やはり剣術の歴史を調べたりしているうちに柳生に辿り着いたのであろうか。
今年の2月頃から、ちらほらと話題を目にするようになり、
きっとコロナがなければ、もっと話題になっていたかもしれない。
さらに、葛城市にある「葛木坐火雷神社」(通称「笛吹神社」)も、
キャラクターの必殺技と同じ名前ということで、
聖地として多くの人が訪れているという。



個人的にはもっと、県内の企業なり行政が動いて、
本格的にコラボなどすればいい案件と思うが(こんなおいしい話はないはず)、
なのに、あまりそんな動きは見られない。
さすが、大仏商法の地である。

関連記事:
コラム145「大仏商法」

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火定

奈良時代に天然痘が流行し、藤原四氏(武智麻呂・房前・宇合・麻呂)が相次いで亡くなり、
政治、経済が混乱したことはよく知られるが話であるが、
最近、新型コロナウイルスの流行により、
古代から続いてきたウイルスとの戦いに注目が集まっている。
たしかに、大陸からウイルスが渡ってきて、政治や経済が混乱する様は、
まさにどこかで聞いたような話である。
澤田瞳子氏の書かれた「火定(かじょう」は、
そんな奈良時代をパンデミックもの視点で描いた小説で、
発刊は2017年だが、再度話題になっており、私も目を通した。
現在、amazonでは一時売り切れ状態になっているが、
わたしは運よくブックオフで入手することができたw
本の内容は、まさに平城京で天然痘が広がっていく様子を、
施薬院に勤める民間の医者や、庶民の視点から混乱に陥って行く様子を描くもので、
ぶっちゃけ、私はもっと、最終的に大仏建立まで行くような、
スケールの大きな話
を期待していたのだが、
どちらかと、病気に翻弄される人の心の葛藤に集点をあてる感じで、
個人的には少し期待外れだった。
とはいえ、奈良時代をパンデミックものとして描くのが斬新だ。
また違った奈良時代の姿を垣間見れることであろう。

参考サイト:
天平の疫病大流行(Wikipedia)

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