Magical Mystery Nara Tour

独自の視点で奈良の魅力&情報を発信していきます。

カテゴリ: コラム

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先日、イタリアからの観光客の方をご案内したが、
春日大社、東大寺と周り、最後は若草山山頂へと行った。
正直、海外からのお客さんは寺や神社ばかりだと飽きてしまうので、
最後は単純な景観を楽しめる場所へと思ったのだ。
(実際、若草山山頂は海外の人に人気が高い)
結果的には私の読みは正解で満足していただいたのだが、意外な感想があって驚いた。
どうも、若草山からの光景がいろんな海外で見た景色と似ているというのだ。
まさかw

その一つがコロンビアのモンセラーテの丘という場所だという。
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これがそのモンセラーテの丘からの景色。
たしかにそれっぽいw
(画像元:https://www.youtube.com/watch?v=V2IeKE-qc2w

モンセラーテの丘は、首都ボゴダを一望できる有名な観光地だということで、
それは若草山とも共通する。
海抜3,152 mの高山だが、ボゴタ市街地が海抜2,600 mにあるため
地元では「丘」と認識されているという。(モンセラーセの丘 - Wikipedia -
差引標高550mくらいということか。
若草山より少し高いくらいだ(震え声)


もう1つの場所は、その観光客の方の故郷であったのであろうか。
イタリアのトスカーナという場所の景色を若草山は彷彿とさせたという。
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これはww

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広大な芝生?が広がり、いかにも鹿が生息してそうな光景ではあるが、
さすがに奈良市街地はこんなに田舎ではないw
田原地区とかそんなあたりかな(震え声)
(画像元:https://www.youtube.com/watch?v=HPSE5H9TSQY

しかし、なぜ若草山が海外からの観光客に人気があるのかわかった気がする。
こういう景観美の場所というのは、世界共通というか、
文化的な背景がなくても楽しめる場所といえるのであろう。
もちろん、その期待に応える美しさが若草山にあるからこそなのだろうが。
改めて、奈良のポテンシャルの高さを痛感した次第であったw

関連記事:
コラム149「実は危険な若草山焼き」
コラム71「若草山焼きの謎」

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まるで広大なゴルフ場のような奈良公園。
一体誰がこんなに綺麗に芝生を手入れしているのかと思われるであろう。
なにを隠そう。鹿がやっているのである。
(もし県なり市が芝刈りをしていればどれほど経費がかかるか想像に難しくない)
ある意味では、鹿に芝が食い荒らされた状態ともいえるわけだがw
ここでは芝が食い荒らされても大丈夫なのである。
というのも、膨大な鹿がいる奈良公園は、
当然のことながら膨大の鹿のフンが排出されるわけであるが、
それが肥料になって、芝の成長を促進させているのだという。
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もちろん、いくら糞が肥料になると言っても、
そのままでは大変なことになってしまうであろう。
なんと、その鹿の糞をちゃんと処理してくれるお方がいるのである。

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それが糞虫である。
糞虫は鹿の糞を地中に持ち込み処理分解してくれる。
さらに糞は土壌中の微生物によって分解され、
最終的には植物が根から吸収できる形にまで無機化されるという。
また中の活動が、土壌に水や空気の流路となる間隙を作り芝の成長を促進し、
奈良公園では芝→鹿→糞虫→微生物→芝という循環的関係が成立しているというのだ。
奈良公園が糞尿まみれでハエが飛んでいるような光景にならず、
見た目的にも貢献しているのは言うまでもないということである。
まさにこれは今流行のSDGsというやつなのではないのか!?

SDGsとは、Sustainable(持続可能な)、Development(開発)Goals(目標)
の頭文字を取った言葉で、2015年9月の国連サミットで決まった国際目標だ。
持続可能な開発目標(Wikipedia)
17の項目からなるが、なにか特別なことを説いているというよりは、
当たり前のことを説いているといえよう。
いわば、教育勅語みたいなものだ。
先日、NHKのSDGsについて学んでいく5人のこどもユニットこと「ミドリーズ」で、
奈良バージョンが公開されたが、
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https://youtu.be/DPQXwkokA4w

世界よ、これがSDGsの真髄なのだw

参考記事:
ならまち糞虫館へ(鹿鳴人のつぶやき)
奈良公園におけるシカの功罪(佐藤宏明)

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